潰瘍性大腸炎という病気はマイナーな病気であるため、どうしても軽く見られてしまうんですよね。本人は死ぬほど悩んで苦しんでいるのに。
わたしもいろんな潰瘍性大腸炎の方と会ってきましたが、やはり『人にわかってもらえない』という悩みが強かったと感じています。
でも実はわかってもらおうということ自体が不毛であり、わたしも理解してもらおうと努力はしましたが、ほとんどの場合でデメリットばかりです。
今回は、今一度潰瘍性大腸炎という病気が世間にどのように認識されているのか、おさらいしてみましょう。
目次
これが潰瘍性大腸炎に対する世間の認識だ!!
突然ですが総理辞めます。じつはおなかがイタくて…
同じく安倍首相のお話です。これは『小学8年生』という雑誌のマンガの一コマです。
このベッドに横たわっているマンガの一コマは、もっと腹痛で転げ回ったり、何ヶ月も絶食する様子を描くべきだったでしょう。しっかり真実を伝えてもらいたいものです。
わたしはもう両手の指だけでは数え切れないほど入退院を繰り返していますし、腕には数え切れないほどの点滴傷がありますが、そういったところまで描画しない限りはやはり軽く見られていると言わざるを得ないでしょう。
ちょっと子供みたいだったと思うよ
安倍首相が潰瘍性大腸炎という病気を患っているということを知っている人もそこそこいるでしょう。難病を抱えながらも日本の首相になったというのは本当に尊敬できます。
そんな安倍首相ですが、過去に一度は首相辞めてるんですよね。で、その時にマスコミ言われた言葉が、
- 『ちょっと子供みたいだったと思うよ』
この言葉の裏には、『お腹が痛いぐらいで日本の首相やめちゃうなんて…』という意図がチラ見えしますね。
まぁ小学生ってちょっとした熱、腹痛で学校休みますからね。つまり安倍さんをはじめとする潰瘍性大腸炎で苦しむ人はそのレベルってことでしょう。
わたしのことはどうでもいい。あまりにも心無い言葉・行動をされてきたので免疫があります。何を言われても気にならなくなりました。
でも少しだけ考えてみて欲しい。わたしのことで悩んでいる、その家族のことをね。そちらは本当に一般人ですから。そりゃ顔真っ赤にして反抗しますよ。
ストレスでお腹がいたくなるような人が総理大臣をやってはいけない。
ストレスでお腹いたくなるような人が総理大臣をやってはいけない。原発がバンバンぶっ壊れてるときに、総理大臣が下痢でトイレから出てこれなくなったら、国民はたまらんですよ。いまは、薬が良くなってその点は大丈夫なようですが。記者の質問は「国家を背負うストレス」そのものでしょう。 https://t.co/eiBqeYzeE1
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) April 5, 2017
なるほど、ストレスでお腹が痛くなる人は総理大臣をやるべきではない、と…。いや、これストレスじゃなくて難病なんですけどね。
潰瘍と言われるとストレスっぽく思われてしまいますが、免疫異常が関係しているようです。その証拠に、潰瘍性大腸炎は大腸だけではなく、自己免疫性膵炎といった合併症を引き起こしたりしますからね。
…このtwitter、厳しいご意見ですよね。気持ちはわかるのですが、我々病人、社会的弱者にもほんの少しだけでいいのでチャンス・夢見させてほしいです。
基本的に理解してもらうということは無理
上述したような話が出ると、すぐさま炎上します。
- ただの腹痛じゃない、難病なんだ!
こういったことを言う人は患者本人か、その家族、周りの知人・友人ではないでしょうか。
わたしの人生経験上、潰瘍性大腸炎であることを明かして優しくされたということが1度もありませんでした。
やはり、大半の人の認識は『たかが腹痛ごときで…』なんです。
わたしが学校にまともに通えず留年したことも、『病気だから仕方がない』、ではなく、『病気を盾にしてんじゃねーよクズ!』なんです。
でも少しだけわかってほしい、潰瘍性大腸炎患者の人生
もうかれこれ10年くらい前の話…。ここらへんがけっこうキツかったなって部分。
病気で学校を休み、テストを受けられなかったことがあるのですが、ダメ元でわたしは教授のもとを訪れ頭下げてチャンスくださいとお願いしに回りました。
周りの人はクスクス笑って見ているだけだし、『病気で休んで単位もらえるなら俺も病気になれば良かった~』なんて言う人もいます。
病気でベッドの上に寝たきり。24時間痛みにひたすらたえるだけ。痛み止めは2時間持続のものが1日3回。そのときだけ眠れます。
もちろん入院中は絶食で、1~2ヶ月は絶食です。退院してもエレンタールという栄養ドリンクだけでしばらく生活します。体重は60kgから40kg代にまで落ち、歩くことすらまともにできなくなります。
がんばって乗り越えてきて、その結果がこれ…。人類すべてが敵に見えるんですよ。
あの時、わたしはもう身体的にも精神的にも本当に限界で、その後すぐに引きこもりとなりました!引きこもって毎日ネットゲームです。朝起きてから寝るまでずっとネットゲーム!
ゲームはラグナロクオンラインという、当時はそれなりに流行っていたものでして、すさまじい廃人プレイのおかげでサーバでも上位になるぐらいでした!
…話が逸れましたね。言いたかったことは、これだけじゃないんだけど、こんなことを何回も言われている、されてきているってことです。
結局、わたしはその後立ち直って大学に通い始めます。
自分自身が立ち上がった理由、キッカケって何って思う人もいるでしょう?
ドラマだと友情、愛情、勇気、希望、そんなところですが、わたしは絶望、怒り、恨み、憎しみ、でした。
ただ1つ言えることは、本当に一流の人間というのはマイナスすら推進力に変えられる人なのではないかと思うんです。わたしには誰にも負けなくらいの深い絶望があった、というだけの話です。この深い絶望だけがわたしの強みであり、絶望から来る不安や焦りが強い原動力となっています。
今は社会人やれてますが、それでも不安で仕方がないので副業してたら年収が900万超えてしまいました。貯金も2,000万近く貯まってたんです。30歳チョイにして。結婚もできたし家も買ったし。やればできるじゃん、潰瘍性大腸炎!
一時期はバイトを転々としていたんですけどね。
だからこそ、わたしにこんな深い絶望を与えてくれた人たちには感謝しているんです。絶望すらなければ、わたしは本当に何もない人間でした。
まとめ
- 多くの人は潰瘍性大腸炎を軽く見ている。
- 病気だから仕方ない、よりは、病気使って逃げるなカス!
- もう…人に潰瘍性大腸炎を理解してもらうのは無理じゃないかな…
- 国・社会を動かすより自分を動かしたほうが労力は小さく成功率は高い
わたしは人が潰瘍性大腸炎に関してどんなにdisられようが、もうなんとも思いません。そりゃ昔は泣きたくなるぐらい辛いことでしたが慣れですよ。
今のわたしなら、仮に会社で盛大にウンコ漏らしたとしても翌日も何食わぬ顔で出社できる自信があります!
今ではこうやってブログのプロフィールに書いたりして、病気というハンデを逆に個性に変えていこうとがんばってます。これもまた、マイナスを推進力にするってやつです。
わたしは『持ち物』が少ないです。病気というハンデすら使えるなら使わなければならないんです。
一番良くないのは、国が悪い、社会が悪いといっていつまでもその場所から動けなくなることです。どんなにデモ活動とかなんかしても、そう簡単に国・社会は動かせませんよ。そんなことにあなたの尊い一生を消費するのはどうかと思います。
わたしは自分自身を変える、全大腸をバッサリと全摘しました。
もちろん怖くて怖くて手術直前まで逃げ出す事ばかり考えていました。でも、そんなとてつもない恐怖よりも、わたしは人から与えられた深い絶望のほうが上だっただけの話です。戦いは絶望が深い者が勝つ!
もしかすると、あなたは今とてもつらい時期にいるかもしれない。でもわたしの経験上、いろんな意味で『時間が解決』してくれます。まぁ30歳超えてくるといろんなことに鈍感になってくるんですよ。
堕ちるところまで堕ちた人間は逆に強い。…タブン。
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