難病で寝たきりだった私が自転車ヒルクライムレースで上位10%になった理由

わたしは潰瘍性大腸炎という病気を持っていました。

今は病気ごと大腸を全摘しています。

潰瘍性大腸炎という病気はとにかく何度も入退院を繰り返す病気です。

入院するたびに何ヶ月も絶食して治療します。

そのあいだはベッドの上で寝たきり状態です。

絶食と寝たきりで体力と体重は激落ち。

筋肉はなくなりいつも骨と皮しかありませんでした。

身長が172cmあったのに対し、体重は40kg台。

BMI指数は16で「やせ」です。

そんなわたしですが、今では自転車のヒルクライムレースで上位10%という成績を叩き出しています。

Mt富士ヒルクライム-フィニッシャージャージ
Mt富士ヒルクライム上位10%のサイクリストが教える攻略法

今回はわたしがベッドで寝たきりの状態から、自転車ヒルクライムレースで上位10%に入るまでの復活劇について書かせていただきます。

身長170cm、体重75kgだった中学1年生時代

実はわたし、昔はぽっちゃり系の男の子でした。

…おデブですかね?

病気をする前は「やせ」ではなく、むしろ「やや肥満」でした。

クラスでもつねに1番か2番に体重がありました。

毎年、身体測定の体重計に乗るのがこわかったんですよ。

そんなわたしが潰瘍性大腸炎という病気をわずらってしまったのです。

潰瘍性大腸炎を発症したのも中学1年生、1月とかそのへんでしたね。

それから数年後、本格的な闘病生活がはじまりわたしの身体はぼろぼろに破壊されていきました。

病気が猛威をふるった時代

中学、高校と病気はおとなしかったのです。

しかし、大学に入ってから病気が本気を出してきました。

1年に1回ぐらい入院するようになり、そのたびに数ヶ月の絶食で体重が10kg〜20kg落ちてしまいました。

ピーク時は体重が65kgから45kgにまで落ちたことがあります。

ずっとベッドの上で寝たきりでしたので筋肉もほとんどありませんでした。

歩けないし起き上がれないし、ものを持ち上げることもできない。

ドアを開けるのすら大変でした。

大腸全摘後 ウォーキングを開始

いろいろ悩んだ末、わたしは大腸を全摘しました。

全摘を決意し経緯なんかはまたいつかお話しましょう。

大腸全摘という最後の戦い(といいつつ最後じゃなかった)を乗り越えました。

その戦いの代償として、10kgの体重と筋肉を持って行かれました。

しかし、これが最後(といいつつ最後じゃなかった)と思えば安い代償です。

大腸全摘後、わたしができる運動なんてウォーキングぐらいしかありませんでした。

毎朝、近所のおじいさんおばあさんに混じってウォーキングです。

わたしぐらいの年代の人はランニングやサイクリングをしていますが、わたしはおじいさんおばあさんと同じウォーキング。

それでもわたしはウォーキングを馬鹿になんかせず、リハビリだと思って真面目に毎日がんばりました!

1日100m、次に300m、500mと少しずつ距離を増やし、1km、2km、10kmとなっていきました。

ウォーキングに費やした時間は1年ぐらいでしょうか。

10kmも歩ければ普通の人、いや普通以上でしょう!

自転車が健康的と聞いて自転車を始める

自転車は有酸素運動で全身運動。

なんてすばらしく健康的なスポーツなんだ!と思い自転車をはじめました。

実はわたしは、自転車で坂を登るのが嫌いだったので電動自転車を買おうと考えていました。

でも結局買ったのはロードバイク。

自転車をこれから趣味にしていきたい、と考えるとやっぱりロードバイクなんですよね。

見た目はかっこいいしカスタマイズして楽しめそうだし。

正直なところ、ロードバイクって何ができるの?ってぐらい何もわからずロードバイクを購入しました。

しかし乗ってびっくり!

なんとこの自転車、めちゃくちゃ乗りづらいし疲れるし痛いんです!

だまされた!

最初のうちはそんな後悔の気持ちでいっぱいになりながら仕方なくロードバイクに乗っていたんです。

ウォーキング同様、走行距離をのばしていった

乗りづらい、ということは体の筋肉が作られはじめていること。

疲れる、ということはしっかり運動してることとも言えます。

ウォーキングと同じように少しずつ走行距離を伸ばしていきました。

10km、20km、50kmというように。

それなりの距離乗れるようになると、ずいぶん身体も出来上がってきます。

最初のころにあった乗りづらさや痛み、疲れは50km程度ではほとんど出なくなりました。

ロードバイクで何かしらの症状が出る人は、だいたいの原因が身体が出来上がっていないだけだと思います。

ロードバイクに乗ってどこかしらが痛いというのであれば、いろいろパーツ交換したり乗り方、ポジションを変える前にとにかく距離を

って身体を鍛えてみましょう。

痛いから乗れないんだよ!と思われるかもしれませんが、乗らないから痛いのです。

すこしずつ距離をのばしてみましょう。

長距離走行からヒルクライムへ

50kmをなんなく走れるようになったわたし。

長距離走行から自信が生まれ、今度はヒルクライムに挑戦してみたいと思いました。

ヒルクライムとは、自転車で山や峠を登ることです。

ヒルクライムを好んでする人をクライマーなんて呼びますね。

場所は神奈川県のヤビツ峠という、サイクリストにとっての聖地と呼ばれるところです。

ヤビツ峠に登ってみた結果…。

「意外に登れる!」

タイムは初挑戦時で45分。

このタイムはだいたい、全体のサイクリストの中でも上位30%ぐらいの成績になります。

ここでさらに自信をつけたわたしは、ヒルクライムレースに申し込んでみることにしました。

Mt富士ヒルクライムへの飛躍

ヤビツ峠を難なく登れたわたしでしたので、富士山もわりと苦労なく完走できました。

順位は上位10%に入る成績です!

ベッドの上で寝たきりだったり、絶食でガリガリだったり、大腸を全摘してウォーキングしかできなかった病弱なわたし。

そんなわたしがまさか自転車で富士山を登れるようになんて誰が想像できたことでしょう。

この結果、というよりわたしの人生を通して言えることは、

結果を出すために近道などない、ということです。

すぐに結果を求めてはいけません。

おじいさんおばあさんに混じってウォーキングをする。

こんなことでも馬鹿にせず真面目にやってきたからこそ今があるんです。

Mt富士ヒルクライムレースでの上位10%という成績は、一見無駄にも見える小さいことをコツコツと積み重ねてきた結果です。

人はよくトレーニング方法や機材、自転車の乗り方といった方法にこだわります。

もっと大事なことがあるかもしれませんね。

まとめ

わたしのようなハンデを持った人間でもこれだけの結果が残せています。

みなさんも高いポテンシャルを持っているはずです。

恥ずかしがらず、めんどくさがらず、コツコツ積み重ねていくことですね。

継続は力なり。