プログラミングスクールは意味ない?現役SEが考える費用と効果

最近はプログラミングスクールなるものが流行っています。国レベルでもプログラミングを習得させようとする動きもあるほどです。

わたしはかれこれ10年以上、システムエンジニアとして現場で仕事をしています。開発もやっているし、リーダー業務もやります。

プログラミングスクールに通って、

  • 主婦だけど在宅でプログラミングの仕事をしてみよう!
  • 普通のサラリーマンだけど副業でプログラミングで稼いでみよう!
  • プログラミングを習得してIT業界に転職しよう!

と、考えている方も多いのではないでしょうか。

はたして、プログラミングスクールって意味あるのでしょうか?効果はあるのか?

今回は現役SEの目線で、プログラミングスクールで学ぶことの意味と費用対効果について書いてみます。

プログラミングスクールに意味はあるのか?

いきなり結論だけど、あまり意味・効果はない

はっきり最初に結論を書いてしまいますが、プログラミングスクールでプログラミングを学習することにあまり意味はありません。効果も薄いです。

…まぁ技術の最前線で毎日戦っているシステムエンジニアのお話を聞いてあげてください。

実は、世間一般の人はIT業界で働く人のことを勘違いしているんです。

  • プログラマ・システムエンジニアはプログラミングができる人だと思っている。
  • 正しくは、システムエンジニアは問題解決ができる人

プログラミングは手段でしかない、プログラミングは問題を解決するための手段なんです。よって、わたしたちシステムエンジニアとかいう人種は、問題解決を得意とする人間なんです。

『プログラミングができる=仕事ができる』ではない

上述したように、プログラミングとは問題解決のための手段です。

わたしたちエンジニアがプログラミングを使って仕事ができる理由は、単純にプログラミングができるから、という理由ではありません。

断言します。プログラミングについてどれだけ勉強しようと、プログラミングはいったい何ができるのか?ということを理解できていなければ、100%の確率でプログラミングを使った仕事はできません

つまり、プログラミングを勉強するだけでは全く仕事なんてできるわけがなくって、本当はコンピュータに詳しくならなければならないんです。

どれだけプログラミングができようとも、物事を論理的に考えて最善の解決策を提案できないようであれば、『プログラミングはできるけど仕事はできない』という状況に陥ります。

流行りの華やかなスキルしか教えてくれない

プログラミング言語で人気なのは、

  • C#, Java (Windowsアプリケーション向け)
  • PHP, Ruby onRails (webアプリケーション向け)
  • Python (AI, 機械学習向け)

といったところでしょう。実際にプログラミングスクールのサイトを見ると、こういったプログラミング言語がコースになっています。

ではいったいどれがいいのか?これまたはっきり言わせてもらいますが、どれも初心者向けではありません

初心者が学ぶべきプログラミング言語は、

  • C言語, C++

これです。特にC言語をしっかり極めたあとに、C++を勉強する、これが最強です。

…言いたいことはわかります。今時、C言語, C++の仕事は少ないです。ですが、ここをしっかりマスターすることで、すべてのプログラミング言語を扱えるようになると言っても過言ではありません。

厳密には違うのですが、ざっくり説明すると、プログラミング言語は

  • C言語 ⇒ C++ ⇒ C#,Java,PHP…

といった感じで、C言語をベースとして派生していったようなイメージです。つまり、C言語さえしっかり抑えれば、あとは各種言語の仕様・差分を学ぶだけで習得できるんです。

現場では必要に応じてプログラミング言語使い分けます。でもわたしは1週間も勉強すれば使ったことない言語でも使用できるようになります。

たまに、『そのプログラミング言語は使ったことがないからできません』とか言う人がいますが、そんなのは現場では許されることではないんです。ハッキリ言ってプロ意識がなさすぎます。

スキルがないなら勉強するしかなく、どれだけすばやく習得するかがカギとなります。そんなとき、いちいちプログラミングスクール通い直しますか?何十万円もかけて…。

わたしの経験上、プログラミングの基礎であるC言語を抑えておけば、あとはいくらでも派生して習得できます

移り変わりの激しい世界だからこそ、はるか昔から存在する、基礎中の基礎をマスターしなければならないんです。

意味・効果が薄いわりに費用が高すぎる

プログラミングスクールは、

  • 1ヶ月~6ヶ月数ヶ月間のカリキュラム
  • 料金は30万円程度と高額

これもまたハッキリ言ってしまいます。

わたしが本業であるシステム開発で、1人でWindowsアプリケーションを作れるようになるまでに3年の月日を費やしました。

毎日、1日中、IT業界で技術の最先端で仕事をしていても、実践レベルになるまで3年はかかるんです。

お前が特別できないだけだろ!と思うかもしれませんので一応言っておきますが、わたしはこれでも難関と言われる情報処理の国家資格を複数所有しています。

上述しましたが、プログラミングはプログラミングを勉強しただけでは何もできず、コンピュータに詳しくならなければなりません。

そして、コンピュータってやつは本当に奥が深いです。コンピュータを理解して実務で応用できるようになるまで3年というわけです。

それが1ヶ月~6ヶ月のカリキュラムで卒業?まず実践レベルにはなれないのは間違いないでしょう。よくて新人研修を終えた新人レベルです。それに30万円というのはちょっと高いと思う。

プログラミングができなくて辞めていく世界

最後にとどめを刺します。

プログラミングはざんねんながら才能・センスの世界です。毎年、どれだけ勉強してもプログラミングを習得することができず辞めていく新人が何割かいます。

わたしはリーダーという立場上、派遣社員をつかってチーム組んで仕事をしたりしますが、プログラミングすらできない人が多数います。なんでITやってんの?って感じの人たちです。

つまり、プロでもプログラミングができない、そして辞めていく世界ってことです。

プログラミングの習得は早ければ1ヶ月です。ですが、それを実務で使用できるようになるまでには1年~3年はかかると思ったほうが良いでしょう。プログラミングすら習得できないなら、勇気を持って撤退すべきです。

プログラミングスクールはビジネスである

プログラミングスクールを推奨する理由はアフィリエイト

ネット上では、

  • プログラミングスクールランキング
  • プログラミングスクール比較サイト
  • おすすめプログラミングスクール

とかいうコンテンツを見かけますが…はっきり言ってほとんどがアフィリエイト。成約するとお金がもらえるからプログラミングスクールをおすすめしているに過ぎません。

現役SEのわたしはどうひっくり返ってもプログラミングスクールを人におすすめすることができないので裏話をしてしまいますが、1件成約することで1万円~2万円という報酬が発生するんです。

そりゃどんなプログラミングスクールもおすすめ(アフィリエイト案件)ですよね。

30万払えば月50万稼げる!?とかいう煽りビジネス

プログラミングスクールの広告がこれまた魅力的なんです。

プログラミングスクールは30万円くらいは費やさないと通えないわけですが、プログラミングスキルを習得することで月50万円という収入を得る人もいます!的な広告があります。

『マジかよ。プロ(10年目)だけどちょっとプログラミングスクール通ってくるわ!(ちなみに現在額面で月収30万円)』

どういう形態で働くのか知りませんが、一般的な開発職であるシステムエンジニアであれば、年収500万円~550万円がいいところです。

年収600万円以上はプロジェクトリーダー・プロジェクトマネージャクラスでしょう。

ましてや、プログラミングスクールに通った程度のスキルレベルでは、システムエンジニアどころかプログラマがやっとです。プログラマならさらに年収は低くて400万円台ぐらいです。

要は、プログラミングスクールてのは、

  • プログラミングができると月50万円という収入を得ることができる。
  • この利益は30万円支払うことで手に入れることができる。
  • 損得勘定したら、超お得でしょ?っていうビジネス。

全くプログラミングスキルが身につかないわけじゃないので、詐欺とは思いませんが、費用対効果で見た時、あまりにもパフォーマンスが悪いとわたしは思っています。

 プログラミングを学ぶのにお金出すとかいう発想がおかしい

IT業界は深刻な人手不足です。国レベルでプログラミングの教育をしていこうっていうほどですので。

また、IT企業も人が欲しくて未経験の人や、学生時代に情報処理を専攻していない人ですら雇います

何が言いたいかと言うと、

  • プログラミングはほぼ無料で学ぶことができる。
  • 未経験でIT企業に就職したら研修時にプログラミングは教えてもらえる。
  • そもそもプログラミングというかシステム開発は実務経験のほうが9割重視される。
  • ゆえに、プログラミングはお金を払って学ぶのではなく、お金をもらって学ぶもの。

プログラミングスクールによっては、就職保証といって、就職まで面倒を見てくれるところがあるようです。

これを見ると、あたかもプログラミングスクールに通わないとIT企業への就職がむずかしいように聞こえてしまいますがそれは違います

IT企業は未経験者でも入れるっていうことです。ただし、年齢は新卒、第二新卒ぐらい。20代半ばが限界と考えておくてください。

わたしはどちらかといえば、お金をもらって実践で使えるプログラミングを学びましたので、お金を払って学ぶというのはちょっともったいない気がします。まぁ人は『高額なんだから間違いないだろう!』みたいな心理が働くので仕方がないことではありますが。

まとめ

  • プログラミングスクールに通っても実務レベルにはなれない。
  • プログラミングができても実務では役に立たない。
  • 大事なのはプログラミングを使って何をするか?ということ。
  • 何ができるのか?はコンピュータに精通しないとダメ。
  • 本当に学ぶべきプログラミング言語はC言語。
  • プログラミングスクールは煽りビジネスではないかと思う今日このごろ。

要はプログラミングスクールなんていらないよ!って10年目の現役SEが言ってたよ!ってことです。

たしかにプログラミングってのはとっかかりづらいです。でも本気で仕事にしたいなら未経験でIT企業に飛び込むしかないですね。

で、プログラミングを習得すると副業でめちゃくちゃ活躍します。わたしもプログラミングスキルのおかげってのもあり、1日1時間の差業で月10~20万の収入を得ていました。今は特に作業なしでも月10万は入ってきます。

そういう可能性を秘めているのがプログラミングであり、プログラミングを習得することは悪いことではない、むしろ超推奨です。