潰瘍性大腸炎の治療法に白血球除去療法というものがあります。
潰瘍性大腸炎の原因は免疫以上によるものであるとされる説があり、異常な行動を起こした白血球を除去することで潰瘍性大腸炎の治療をするというものです。ちなみに、よく似た治療法で顆粒球除去療法というものがあります。
白血球除去療法のことを業界(?)では『LCAP』と呼んでいます。LCAPという単語を見かけましたら『あぁ、白血球除去療法のことか〜』と思っておいてください。顆粒球除去療法は『GCAP』と呼ばれています。
今回は、この白血球除去療法について書かせていただきます。
目次
白血球除去療法とは?
白血球を除去する、なんてなんだか物騒な響きですし怖いですよね。まずはどんなものかを説明します。
人工透析の機械を使って白血球を除去する
白血球は人間の体の血液に流れているもので、人工透析の機械を使って除去します。糖尿病の人が1週間で何回か血液をきれいにするために使っている機械と同じものです。
わたしの通っている病院では人工透析している人と同じ部屋で治療をしていました。まぁ同じ機械を使いますので当然ですよね。
腕にかなり太い注射を2本刺します。針金が身体に入ってきたんじゃないかって思うぐらい太い針です。血管が細いと足の付根近くにある静脈に刺されます。
2本刺す理由は、血液を吸い出すためのものと、白血球を除去した血液を身体に戻すためのものです。血液が吸いだされ、機械を通って白血球が除去され、血液が身体に戻る、という流れになります。
時間はたしか2時間程度かかります。
5回で1クールの治療
この治療の苦痛なところは1回だけではなく、5回やって1クールというところです。つまり、合計10回は太い注射をしなければなりません。
1クールが終わってホッとしたところで、効果が弱ければ2クール目が始まります。これは本当に苦痛です。
腕に針を刺すのはなんとか我慢したとして、気持ち的に全身の血液を外に出して、機械を通して生理食塩水と混ぜて身体に戻すのが怖くて仕方がありませんでした。
たくさんの研究や実験をした上で安全だと判断されているのでしょうけれども、これを何度も繰り返していてはいつか事故が起こりそうな気がしました。たとえば『薬害なんとか〜』みたいな。
白血球除去療法をやるのに入院する必要はあるのか?
入院する必要はない
白血球除去療法をやるために入院をするという必要は本当はありません。いろいろ調べていると白血球除去療法をやるために入院をするといった記事が見つかりますけどね。
ただし、白血球除去療法をやるべき人というのは、かなり症状が悪化しているのではないでしょうか?
白血球除去療法をやるために入院する必要はありませんが、潰瘍性大腸炎が再燃している状態であれば入院は必要でしょう。
大量のステロイドと白血球除去療法、同時並行ですすめるのであれば入院はしたほうが良いです。特に、大量のステロイドの投与で免疫力が低下して外出禁止になりますからね。
入院せずにできる治療というのが強み
白血球除去療法の強みはむしろ入院せずにできるというところにあります。実際にわたしも通いで白血球除去療法をやっていたことがあります。
というのも、わたしの場合は潰瘍性大腸炎が再燃して入院していました。そこで白血球除去療法をやって、1クール終わる前に回復したんです。
1クール終了まであと2回残っていたのですが、残ったのを消化するために通いで白血球除去療法をやっていたのです。
もし、白血球除去療法は入院していなければできない、というのであれば、わたしの入院はあと2週間も長くなっていたことでしょう。
でも理想は1クールまるごと入院せずにできたらいいですよね。
まとめ
以上のことをまとめますと下記の通りです。
- 白血球除去療法をやるために入院をする必要はない、入院せずにできるのが強み
- 白血球除去療法が必要な人はかなり症状が悪いはずで、別の要因で入院は必要になるかもしれない
結局のところ、白血球除去療法をするときは入院していることになりそうですね。潰瘍性大腸炎患者の中には腹痛を感じないという人も結構いたりしますので、そういった人だと入院せずに通いで白血球除去療法ができたりするのかもしれません。
少なくとも、わたしは再燃すると腹痛がひどくてベッドの上に寝たきりになりますので、入院は必須でした。