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闘病記録

潰瘍性大腸炎の闘病記録 第6回 大腸全摘手術の詳細と心境

2016/11/01

潰瘍性大腸炎闘病記録-手術について
闘病記録 第6回です。
前回の記事は下記になります。

何度か続けてきたこの闘病記録シリーズですが、いよいよ大腸全摘手術のお話です。これから手術を考えている人にとって、少しでも参考になるとうれしいです。

大腸全摘手術前にやること

入院

潰瘍性大腸炎の生活を終わらせようと大腸全摘手術を決心しました。今までは体調が悪くなって入院というケースでしたが、今回は手術を受けるために入院しました。

手術をするのは体調が良いときにするのが望ましいです。潰瘍性大腸炎はたいて絶食治療をして体力が落ちてしまいます。そんな状態で手術をすると、手術が2回に分かれてしまうことがあるかもしれませんし、予後もよくありません。

とはいえ、体調が良いときに「なんの問題もない大腸を摘出する」なんていうのはなかなか決心できないものです。

検査

入院してからというもの、毎日検査です。受けた検査は普段受けたことがないような検査ばかり。CT造影というものははじめてでした。

CT造影とは、造影剤を血液中に流し込みCTを撮るというもの。血液中に大量の造影剤が流し込まれるため、かなり気持ち悪いです。身体がカーっと熱くなります。それなりに副作用もあるようで、やる前には同意書を書かされます。

CT造影をしたら手術される、今ではそう思うようになりました。(つまりわたしは合併症で何度かCT造影されて手術されそうになっているということです。)

他にも輸血しても問題がないか、クロスマッチと呼ばれる検査もしたり。とにかく何をやるにしても同意書にサインをします。同意書には例外なく怖い副作用の話が書かれているんですよね。「こんな恐ろしいことが起こるかもしれないけど何かあっても許してね」というようなものに同意していかなければなりません。

治療

入院してから手術をする日まで1ヶ月の期間がありました。この間に検査をしていたのですが、不思議と体調も悪くなっていく。

体調が悪くなってきてしまったため、平行して治療も開始しました。治療は白血球除去療法と呼ばれる、簡単に言えば透析による治療です。

1回の治療が2時間ほどかかるもので、そのときはたまたま研修医の方が勉強のためにということでずっと付き添ってくれました。そこで時間もあったのでわたしがどういう経緯で大腸全摘手術を決心したのかをお話しすることになりました。

23年間付き合ってきた大腸との別れ

普通ではなかった人生、送りたかった普通の人生

今までブログの記事で何度か闘病記録は書いてきました。そのようなことを軽くお話ししました。たった2時間程度の付き合いでしたが、わたしの話を聞いて涙を流してくれたわずかな人です。

その人がわたしの話を聞いて涙を流した理由、それは普通の人生がどれだけありがたいものか、ということでした。

普通に学校に通って、就職して、結婚して、親になって。よく言われるレールの上の人生ですね。人によっては『そんな敷かれたレールの上の人生なんてイヤだ!』と言います。

世の中にはそんなレールから外れてしまった人たちがいます。唯一の存在でありたいと願いレールから外れたいのでしょうけど、現実はいいことなんてありません。わたしにとっては命を賭けなければ乗っかることができないレールです。

特別な存在になりたいのではなく、ただ普通になりたいだけだったんです。

普通の悩みすら、わたしにとってはうらやましい悩みだったんです。

苦労させられてきたけど、『大腸ありがとう』

大腸があることによってわたしの人生は本当にたくさん苦労させられてきました。病気にも人にも、たくさん苦しめられてきました。

この病気さえなければ、この大腸さえなければ、なぜ自分だけなのか。やり場のない怒りがたくさんありました。

それでも、わたしが最後の最後に思ったことは『今まで持ちこたえてくれてありがとう』だったんです。

あまり出来の良い大腸ではありませんでしたが、そんな大腸も両親から授かった大切な身体です。せめてわたしだけでも最後ぐらいは今まで精一杯がんばってくれた大腸を認めてあげたかったんです。

大腸全摘手術の前日

容体急変、大出血

検査を終え、治療をしながらもあとは手術を待つだけとなりました。そんなときに突然容体が悪化したんです。容体が悪化し、大出血を起こしてしまいました。

潰瘍性大腸炎は命に関わる病気ではない。そう思っていたのですが、このときわたしは命の危機に面していました。潰瘍性大腸炎は大出血による失血で命を落とす可能性はあります。

トイレの中で大出血を起こし、かろうじてナースコールを押すことはできました。そして次に気がついたときはベッドの上。たくさんの看護師さんが慌ただしく動いていました。汗でぐっしょり身体中がずぶ濡れになっていましたが、これは一度に出血したことで起こる『出血性ショック』というものだとあとで知ります。

緊急手術

ショックを起こしたわたしはすぐに輸血を始め、緊急手術となりました。予定より少しだけ手術が早まりましたが、輸血のためのクロスマッチテストを終えていたのが不幸中の幸いでした。

とはいえ、間に合わなかったものもあります。それは腹腔鏡の手術の準備です。

大腸全摘手術は腹腔鏡を使うケースがあります。そうすることにより、手術の傷跡を小さくすることができ、腸閉塞発生のリスクを下げることができるというメリットがあります。デメリットとしては医師に高いスキルが要求されることで、できる医師や病院が限られてきます。

さらに、大出血を起こしてしまった人は硬膜外麻酔という脊髄に直接流しこむ麻酔が使えなくなります。なんでも大出血を起こすとあとで血が固まりやすくなるのだとか。脊髄の中で血が固まってしまい、それが原因で重篤な障害が発生するリスクがあるのだそうです。

大腸全摘手術

大腸を失う直前の心境

今までの苦労が走馬灯のようによみがえり、悔しい気持ちでいっぱいになりました。ただ生きることでさえ辛かったのに、さらにこんな辛いことまで乗り越えなければならない。

なぜ自分が?どうして?そんな気持ちがいっぱいで「ちくしょー!」とこぼしながら手術室に運ばれて行きました。

「…ぜったいに帰る!」

ここまで辛いことばかりだと、辛いままの人生では終われないんですよ。

命の危機

あとから知ったのですが、わたしは生きるか死ぬか、きわどい状態だったそうです。

医師は、「今から手術を開始します。手術は合計で4時間、大腸を摘出するのに2時間、小腸と肛門を縫合するのに2時間かかります。」と言います。そして両親にPHSを渡し、このPHSは何かと聞くと続けて医師はこう答えます。

「大腸を摘出するまでの2時間。その間にこのPHSが鳴った時は、覚悟を決めてください。」

両親はこの言葉で震え上がったそうですが、わたしもこの話を聞いてぞっとしました。わたしはこのブログを通して伝えたいことは、潰瘍性大腸炎は命に関わる病気であり油断してはいけないということです。

こころのどこかでは手術を考えておいて欲しいのです。

大腸全摘手術の直後〜予後

手術後の痛み

上述しましたが、わたしは硬膜外麻酔なしです。今時、硬膜外麻酔なしの開腹手術なんてものはほとんどないのではないでしょうか。13cmほどの開腹手術でしたので、痛くて眠ることができませんでした。

緊急手術から手術後、全身麻酔で眠っていた時間があったとはいえ、わたしの中ではひとつなぎの時間の中です。つまり、2日くらい徹夜しているような感覚でした。

何時間経過しても痛みが弱くなるような気配がない。いったこの痛みはいつまで続くのか?一生続くのではないか?そんな不安がありました。痛みが強いのに腸閉塞防止のために立ち上がって歩かなければならない、まるで拷問です。

手術後の痛みの経過

術後の痛みは2,3日経過することで眠れる痛みにはなりました。ずっと痛いままではありましたが。咳やくしゃみは数週間から1ヶ月ぐらいは痛かったです。術後すぐに風邪でも引いたりしたら死んでしまいますね。

1ヶ月が経過しても咳やくしゃみは痛いのですが、日常生活を送る上で支障はありません。手術してから1〜2ヶ月で復帰ができると考えてよいでしょう。

まとめ

今回の記事はずいぶん長くなってしまいましたが、手術に関してはこんなところです。

わたしの人生の中でも一番濃い時間、出来事でした。この記事を読んで、手術の流れがだいたいこんな感じなのかと感覚を掴んでもらえるとうれしいです。

ここまで何度かつづけてきた闘病記録ですが、次の総まとめで最後になります。最後とはいえ、潰瘍性大腸炎以外の合併症を患い、闘病生活自体は終わっていないんですけどね。

闘病記録まとめはこちら。

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