Amazonを使った物販をしていると、『AmazonAPI』なんていう言葉を聞くことはないでしょうか。
APIなんていう言葉は前々から聞いたことがあるけどなんのことだかさっぱりわからない。たしかにプログラミングなんかができないと無縁のものです。
しかし、この世にはAmazon APIと呼ばれるものを使ったツール・アプリケーションがいくつかあります。それらを使うことでAmazon出品者の作業を軽減させることができます。
わたしは副業でAmazonを使った物販をしていますが、本業はシステムエンジニアです。そしてAmazon APIを利用させてもらっています。
今回は現役のシステムエンジニアであるわたしがAmazon APIについてかんたんに説明させていただきます。
目次
Amazon APIとは一体何者?
そもそもAPIって何?
Amazon APIとは何か、ということで調べているかもしれませんが、そもそもAPIとはなんでしょうか?
APIとは、Application Programing Interface(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)の略です。アプリケーションとプログラミングはわかる、『インタフェース』って何?という感じですよね。
かんたんな説明をしますと、『インタフェース』は『出入り口』という言葉に置き換えるとわかりやすいかと思います。わたしはよく新人にそう説明しています。
APIとは、第三者が提供するものであり、たとえばここではAmazonになります。Amazonが自分のデータベースにアクセスするための出入り口、インタフェースを用意してくれているんです、これがAmazon APIです。
そしてこの出入り口はプログラミングを使わないと使うことができないものです。プログラミングでのみアクセスが許された出入り口、それがAPIというわけです。
Amazon APIは2種類ある
APIについてはなんとなくわかっていただけたでしょうか。次は具体的にAmazon APIの説明に入ります。
Amazon APIには大きく分けて2種類あります。MWS(Marketplace Web Service) APIとProduct Advertising APIの2種類です。MWS APIは出品者向け、Product Advertising APIはアフィリエイター向け、というイメージで良いでしょう。
MWS APIは出品者向けで、大口出品者でなければ利用できません。Product Advertising APIはアフィリエイター向けですが、無料で登録可能です。しかし、アフィリエイトをするためのサイトを持っている必要があります。(登録時にwebサイトを登録する必要があります。)
MWS APIとProduct Advertising APIの違い
この2種類のAmazon APIの違いはいったいなんなのでしょうか?
出品者向けとアフィリエイター向けという違いはあるのですが、どちらも商品情報を取得できるという同じところがあります。では商品情報を取得できる、という点に着目したとき、その違いはいったいなんなのでしょうか?
どちらも使ったことがあるわたしから言わせてもらいますと…。
『MWS APIは安定しているけどProduct Advertising APIは不安定!』…これに尽きます。
わたしは主に、アメリカAmazonの商品情報取得にProduct Advertising APIを使わせてもらっています。理由は日本Amazonの大口出品者ではありますが、アメリカAmazonの大口出品者ではないため、アメリカAmazonのMWS APIが使えないからです。Product Advertising APIで代用しているというわけですね。
Product Advertising APIでは、商品が存在するのに『取得できませんでした!』と言われることが結構あります。また、商品の価格情報も送料やポイントを取得することができないため、総額で見ると結果がおおきく乖離してしまうことがあります。
MWS APIはかなり安定していますし、Amazonから提供されているクラスライブラリも完成度が高くて非常に使いやすいです。
Amazon APIを使うと何ができるのか?
APIがわかり、AmazonがAPIを持っていることもわかっていただけたでしょうか。では、Amazon APIを使うことでいったい何ができるのでしょうか?
商品リサーチができる!
Amazonを使った物販では、とにもかくにもリサーチ(市場調査)が重要になります。販売したい商品は利益が出せるのか?そもそも売れるのか?そういったことをリサーチするには膨大な商品量をチェックする必要があり、莫大な時間が必要となります。
リサーチ作業において、何百、何千、何万回とwebページを閲覧することになります。たとえば、商材として扱いたい商品ページを開いて、商品のIDであるASINコードや価格、商品名、URLをコピーしてエクセルに貼り付けて…なんていう作業をしていませんか?
直接Amazonのデータベースにアクセスすることができれば、わざわざwebページを閲覧して商品情報(価格など)をコピーしてエクセルに貼り付けして…といった情報収集作業が不要になります。
Amazon APIを使って必要な情報だけを取得してエクセルファイルなんかに書き出すようなプログラムを作れば、短時間でリサーチが完了します。しかも自動で。
つまり、Amazon APIでできることとは、Amazonのデータベースに直接アクセスしにいくことができるため、web閲覧といった手間が完全に除去できる、ということなんです。さらに、一度に大量のデータも取得できるため超効率的です。
Amazon APIは商品リサーチのためのAPIではないという事実!
そもそも、Amazon APIは商品リサーチのためのものではないんです。部分的にはたしかにそうなのですが、それがすべてではないのです。
Amazon API応用しているのが怪しげな商品リサーチツール、『秒速で1億稼ぐ!』みたいなキャッチコピーをした毒毒しいサイトのアレです。アレで誤解されてしまっているような気がしてならないです。
そういったものがとても多く流通しているた、本来の目的である『出品者の作業を自動化して負担を軽減させる』というものが薄れてしまっているのではないでしょうか。
MWS APIでできること。13のセクション!
Amazon APIの1つであるMWS APIでできることは商品情報取得だけではありません。全部で13のセクションがあり、商品セクションはその1つです。
その他にどんなセクションがあるのかというと、下記のとおりです。
- フィード
- レポート
- ファイナンス
- フルフィルメント納品
- フルフィルメント在庫
- フルフィルメント出荷
- 出品者出荷
- Off-Amazon Payments
- 注文
- 商品
- レコメンド
- 出品者
- サブスクリプション
MWS APIは商品リサーチツールのために使われるイメージが強いですが、それは氷山の一角だったのです。
ご覧にいただけるとわかるかと思いますが、納品やら在庫やら、出品者の作業負荷を軽減させるのに役立ちそうなやつもいます。経験された方ならわかると思いますが、Amazonの納品プラン作成作業ってすごく面倒なんですよね。
扱っている商材の商品ページを検索して、商品ページを開いて、ページ内の出品ボタンを押して、商品説明や価格や納品個数を入力して…。商品説明はテンプレだし、価格や納品個数はエクセルで管理している。もしそうであれば、エクセルをプログラムで読み込み、MWS APIの納品セクションを利用すれば自動で納品プランの作成ができてしまいます。
MWS APIを利用するにはAPIキーの発行が必要
MWS APIを使うとセラーセントラルでできることがプログラムでもできるようになる、とイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。価格変更なんかもできてしまいますので、セラーセントラルにログインするのと同じように認証が必要になるわけです。
その認証に必要なのがMWS APIキーと呼ばれるものです。MWS APIキーについては下記の記事にて詳しく説明していますので参考にしてみてください。
まとめ
以上のことをまとめますと、下記の通りです。
- Amazon APIとは、Amazonのデータベースと自分で作成したプログラムの『出入り口』のこと。
- Amazon APIにはMWS APIとProduct Advertising APIの2種類がある。出品者は主にMWS APIを使う。
- MWS APIは商品リサーチだけではなく、納品作業なども自動化できる。MWS APIの目的はあくまでも『出品者の作業負荷軽減』である。
いかがでしょう、なんなくご理解いただけたでしょうか。
え!?まだむずかしい!?わからない!?それはホントに申し訳ございません…。むずかしいことを理解・習得するのは得意なのですが、いかんせん説明するのが苦手です。
というのも、わたしたちエンジニアの世界には説明する言葉がないというのが現実です。たとえば、『インタフェース』は『インタフェース』でしかないんです。
出来る限りわかりやすく説明することを心がけ、有益な情報を提供できるようがんばります。
わたしが所有する別ブログにて、Amazon API(MWS API, PA API)を使った、無料のリサーチツールと、プログラミングをするためのサンプルソースを公開しています。
ぜひ、参考にしてみてください。